<本>と<電子書籍>と

2月の文化人類学カフェのテーマは「本」でした。このテーマにしたのは、僕自身が最近<電子書籍>(パソコンとか携帯とか画面上で読む)で、漫画を読む機会が増えたからです。こうなってくると、印刷された漫画本を読むときに、どうも今までになかった「よっこらせ」と力が入る感じがします。その違いについて考えてみようと思ったのでした。

カフェの中で話に出たのは、<本>は余白に書き込むことができるけど、<電子書籍>は線を簡単に引いたりできないということでした。<電子書籍>と違って<本>には読み手の痕跡が残ります。手垢もそうだし、こぼしてしまった飲み物の染み、日焼け痕もそうです。過ごした時間共に、そういったものが徐々に自分の中に蓄えられていきます。書かれている内容が自分の経験として残っていき、単なる「情報」ではなくその人の「知識」になります。

でもそのうち、手垢がつく電子書籍なんてのが開発されてしまうかもしれませんね。

豊平豪 2017年3月

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