にぎやかな住宅地?

今年も愛知県江南の曼荼羅寺に来ています。藤祭りと言いながら花はもう散ってしまってさびしいかぎりですが、そこはお祭り。的屋さんたちの努力もあってにぎわいは十分です。ぼくは5歳の子どもと朝からひとしきり遊んだあと、歩いて帰ることにしました。30分くらいの行程でしょうか。江南は名古屋のベッドタウン。住宅地が広がっています。面白い風景ではないし、静かでゴーストタウンみたいです。 どんな流れだったか、歩くのにあきたぼくらは風景の中に顔を探しはじめました。マンホールの取っ手が目みたいとか、落ちているみっつの石の並び方が顔みたい、といった具合です。そうなると車の正面は顔にみえてくるし、家なんて窓が目になった顔だらけです。動くはずがないと決めつけていた風景がゆらぎはじめ、静かな住宅地があっという間ににぎやかになっていきます。しまいに親近感までわいてきました。 なぜかぼくはこの体験がすごく気になっているのです。いやはや。

豊平豪 2018年5月

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