島でインドの不思議をきく

9月最後の週、瀬戸内海の粟島(あわしま)に行ってきました。人口289人。70歳以上がほとんどの高齢化の島ですが、今年は3年に一度の芸術祭のスタートを数日後にひかえ、多くの若いアーティストたちが深夜まで作業を続けていました。

ある夜、インド人画家マユールから、彼の出身部族ワルリの話を聞く機会がありました。彼曰く、ワルリの人々は、呪い師が星をみて決めた「パーフェクトな日」に真の闇の中を裸足で山に登って行きます(その日だけ不思議とコブラにもかまれない)。一昼夜歩き続けた末にたどり着くその地では不思議な光の粒が木の根元から空に上っています。彼らはその木からとった液体を飲む。すると…。

「後のことはきっとあなたは信じない」。そこまで話すとマヨールは島の闇の中でにやっと笑うのでした。ワルリのシークレットはまだシークレットたりえているようです。今の日本にこんな話あるのかなと思うと急にうらやましくなったのでした。


豊平豪 2019年10月

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