料理と台所

 3年ほど前のマレーシア在住時に知り合いになった中華系の女の子が、10月、就職活動のために埼玉の我が家に一ヶ月滞在していました。ぼくが入退院してあわただしいなか、彼女は就職準備の合間に、ぼくら家族のご飯をつくってくれたり洗濯をしてくれたり。ほんとうに助かったのでした。

そして彼女のご飯がほんとにおいしかった。中華系マレーシア家庭料理。<すいとん>みたいな自家製麺料理パンミーの味も絶品でした。出汁はカツオや煮干しでぼくと一緒なのですが、そこにその場で作った玉ねぎ油が加わっている。玉ねぎ油の残りは小皿に保存されて他の料理でも使っていました。どうやら彼女の料理の秘訣のひとつだったようです。

もちろん基本となる家庭料理の体験がまったく違うわけです。滞在時にも気づけなかった異文化料理の肝が、自分が普段使う台所を通じたからこそようやく透けて見えてきたようです。彼女が料理を作る様はどれだけ眺めても飽きることはないのでした。


豊平豪 2018年11月

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