かみしめる

ぼくが住んでいるさいたま市大宮には氷川神社という大きな神社があって、そこから見沼と呼ばれる今はない沼(現在は広大な畑)の縁に沿って歩くことができます。歩いていくと、中山神社、女体神社(!)に出会えます。氷川神社は男体社、中山神社は王子社とも呼ばれているわけで、おそらくこの3社は治水のために建立された親子神社ではないか。そう思ってさらに図書館まで歩いて民話を調べると龍神と蛇の話があります。龍と蛇は水の動きを象徴することが多い。さもありなんと、にやりとしたり。

最近、一万歩の散歩をはじめてから気づいたことです(スマホの万歩計は便利)。3月のシリーズとつとつは「かむ」がテーマだったわけですが、ぼくは3年かかってようやく今、自分が住んでいる土地を「かみしめはじめた」気がしています。一見飲み込めないものを噛んで自分の体内にしみ渡らせる。「かむ」で例えることができる一連の行為は異世界を自分の身体に取り込むための儀礼なのかもしれません。


豊平豪 2019年4月

シリーズとつとつ アーカイブ

0コメント

  • 1000 / 1000