私たちは、毎日の暮らしを誰かとともに過ごしています。たった一人でいるつもりでも、その生活は誰かの働きによって支えられています。つまり、だれもがみんな、いろんな人間関係のなかで生きているということです。
11月の文化人類学カフェでは、豊平さんが「冗談関係」という変わった人間関係を紹介してくれました。特定の親族間(例えば、母方の叔父と甥)にだけ悪口や盗みや暴力までもが許される、というか、義務のように感じられている関係が「冗談関係」です。反対に、絶対服従の「忌避関係」も同時にあります。どちらも、ある文化にとっては必要不可欠な人間関係なのです。同じ親族でも、全く違った関係をもつことで対人関係のバランスを身につける。それが、人が大人として成熟するための仕組みとして役立っているのかもしれません。いろんな人に対して、それに応じた顔と振る舞いを身につけていくこと、それが大人になるということなのかなあ・・・
西川勝 2011年12月
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