影がないと人間はどうなるのでしょうか。鏡に自分の姿だけが映らなくなってしまったら・・・。こわい想像です。
人間には生身の自分だけではなく影も大切なのです。光が生みだす自分の影、鏡に映る自分の姿、写真や映像に残る過去の自分、自分を確かな者として支え続ける影。その影と踊るダンスワークショップが3月2日にありました。舞鶴でダンス作品を製作中のロニータさんと山口さんも参加してくれました。
暗くした部屋に天井からのスポットライトだけをつけて、壁に自分の影を映します。その影と踊るのです。光との関係で、壁に映った自分の影はその形と濃さを大きく変えていきます。自分の影にゆっくり近づき、指を沿わせて動いてみます。身体も徐々にしなっていきます。確かに自分の影なのに、新鮮な出会いの感覚が湧いてきます。影と踊る姿には幻想的な美しさが生まれます。
自分の影と仲良くすることは、自分をさらに豊かにする秘密かもしれません。
西川勝 2012年3月
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