ラジオ番組の投稿で60代の男性が年に一回のケーキが何よりの楽しみだったと述べていました。朝、昼、ご飯を抜いて夕食はケーキだけ。箱も捨てずにとっておいて最後まで匂いを楽しんだそうです。
一方、現在ではケーキが嫌いな子もいます。ケーキも数多くある選択肢の一つでしかない。嫌いなものを食べなくてもよいのですから一見幸せにみえます。
でも、大切なものが欠けていないでしょうか。「未知との出会い」です。知っている好きな物だけ、いつでも食べることができてしまう。「どんな味がするんだろう?」。そんなドキドキはありません。未知を知る機会がないのです。
現在はあらゆる分野において選択肢だけは異様に多い。しかし想像を超える出会いは少ない。投稿者のように想像を超えた出会いは、鮮烈に記憶に残り人生を豊かにします。これからの子供たちに未知と出会う機会を作ってあげることは案外重要なことのように、僕には思えたりするのです。
豊平豪 2015年1月
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