謝るとき、心の底から悔い改めていうことはほとんどないのではないでしょうか?本当に申し訳ない、本当にひどいことをした、と思ったとき、人は相手に対して言葉を失います。「謝ってゆるしてもらえるとは思えない」。それが悔いている状態のように思います。後は行動で示すか、忘れてもらうのを待つしかない。
さて一方、上手な謝り方という言葉があります。「心の底から」ということはひとまず横に置いておいて考えたとき、謝ることは「行為」です。だからこそ、上手い、下手がある。
謝るということは、不穏な空気が相手との間に流れるとき、その場を上手にやり過ごすこと。そんなふうに僕には思えます。相手もタイミングよく謝られたからなんとか怒りに対して我慢できる。逆に、その即座のちょっとした謝りがなければ、なかなか許したり、忘れたりはできないのかもしれません。
相手との関係を良好に保つ。その意味で謝り上手はほめ上手なのかもしれません。
豊平豪 2015年10月
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