世代のちがい

11月のカフェのテーマは「世代のちがい」でした。カフェ中、僕はなぜか二人の女性の話を思い出していました。

一つは沖縄。ユタと呼ばれる拝み屋の取材をしていたとき。終戦間際、日本兵に乱暴されたと、一人の女性が話してくれました。もう一つはマレーシアの中華系の村に遊びにいったとき。長老である女性から第二次世界大戦中の日本軍のひどい行為について聞きました。

日本兵に乱暴されたとき相手の胸についていた「スズキ」というネームプレートが、子供への乱暴を目の前でみせられた母親の口から出た悲鳴が、脳裏にやきついて離れないということ。

沖縄とマレーシアというまったく違う土地にありながら、二人の話は「戦争の経験」において同時代人にしか分かりえない共鳴をうみだします。僕のような違う世代にはけっして理解できないその響きは、変に置き換えて解釈するのではなく、そのまま心と身体で受け止めるしかないように思うのです。

豊平豪 2015年12月

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