8月の人類学カフェのテーマはお盆だったこともあって「死者」だったのですが、冒頭僕の口から出たことばはなぜか「最近、死者とのおつき合いはどうですか?」でした。何にも考えずにしてしまった質問だけに、みなさんの反応はイマイチ。あわてて、すぐに帰省や盆踊りの話なんかを加えて、カフェを盛り上げたのでした。
ところが、あれから一か月弱。「死者とのおつき合い」ということばが頭から離れません。本屋さんにいけば、生きている人とのつき合い方を書いた本はたくさんあるのですが、たとえば身内以外の死者とのつき合い方を書いた本となるとむずかしい気がします。
情報網が発達し、まったく知らない他人の不幸を我がことのように捉えられるようになってきた現在、おつき合いしなければならない死者は増える一方のはず。「困った死者とのつき合い方」とか「大好きな死者と長く暮らすために」なんかを真剣に考えた方がよいのかもなあ、とぼんやり考えているのです。
豊平豪 2016年9月
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