9月のカフェのテーマは「ゾンビ」でした。ゾンビ、ご存じですか?半分腐った死体が、両手をだらんと、足を引きずりながら迫ってきます。噛まれたらその人も感染するので、あっという間に歩く死体たちが世界にあふれていきます。
実は、この表現、われわれと理解し合えない何かが増えながら迫ってくる恐怖を示しています。今なら、世界で問題になっているテロリストたち。自分たちの世界の外側で理解不能な何かがうごめいている。当然、近寄ってほしくない。でもどうやら増え続け迫ってきているようだ…。作家たちはゾンビを使ってその不安を描き出します。恐怖映画の傑作は例外なく現実の社会不安を映しています。だからこそわれわれは「怖い」わけです。
さて、近年映画や漫画でひっぱりだこのゾンビたち。もしかしたら、自分が理解できない何かが増えている不安が社会にあるのかもしれません。理解できないものがいっぱいあった方が世界って楽しい気がするんですけどね。
豊平豪 2016年10月
0コメント