この連載今回で45回目になります。もうすぐ丸4年なんですが、これまで、哲学以上にみなさんになじみがなさそうな「文化人類学」について、ここで一回も説明したことがなかったようです。
文化人類学は日本では民族学ともいいます。簡単にいうと、自分にとっての未知の民族(世界)の文化を対象にした学問です。そんなわけで、だいたい、海外のことを調べる場合が多くなります。まったく知らない世界を直接現地で調べて、自分の世界と比べます。現地調査と文化の比較というのがその基本です。そのために、まず現地の言葉だったり、振舞い方になじんでいくという、自らの身体を未知の世界に浸す作業が前提になります。
桜が咲いて新しい生活や出会いがあります。そういう方はまさに新しい職場や場所で見知らぬ世界と接していくことになります。今年度のカフェでは「未知の世界への浸り方」について文化人類学の方法を探ってみようかと思っています。
豊平豪 2017年4月
0コメント