フィールドワーク情景11

先月のカフェでは映画の音声ガイドを聞いてみました。目の不自由な方が主に利用する、言葉によるシーンの解説です。朝の連続テレビ小説などでも副音声として聞くことができます。

映画で俳優はセリフを話すだけではありません。ときには仕草や表情のみで感情を伝えます。音声ガイドは作り手の演出意図に限りなく近い情景を、画面を見ることのできない聴き手の中に浮かび上がらせます。今回は素人とプロ、両者による音声ガイドで映画の一部を、目を閉じて聞き比べてみました。素人の方は情報量が多いせいか、なんだかガチャガチャして話が頭に入ってこないのですが、プロの音声ガイドではほとんどストレスなく物語に集中できます。

ある出来事を伝えたいとき僕らはすべてを話したいと思いがちです。たまには映画の音声ガイドにならって情報を絞る必要があるのかもしれません。会話は相手がいて成立するもの。相手の想像力に身を委ねてみることもときに大事だと思うのです。

豊平豪 2018年3月

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