とつとつダンスワークショップで、「別れのダンス」をしました。二人一組になって握手をします。簡単に手を離さないで、二人が徐々に身体を離していきます。しっかり握られていた手のひらが、しだいに指先だけでつながっている状態になります。なおも互いに体重を反対側にかけていくと、ついに二人に別れが訪れます。あっという間のできごとで、二人は離ればなれになってしまうのです。
いつものように、ダンスの後で感想を述べあいます。「いつかは離れてしまうと分かっていても、手が離れた瞬間に〈取り返しのつかなさ〉を感じてしまいました」「つながりが切れるのは一瞬のことなのに、そこで時の流れが全く違ってしまいました」「張り詰めた関係が壊れたとたんに、相手を求める強い気持ちが生まれた」と、人さまざまです。
手をつなぎ、手をはなすという行為が、切ない思いのこもったダンスになる不思議が「とつとつ」にはあります。
西川勝 2013年8月
0コメント