10月のとつとつダンスワークショップは、ある動作を相手に見せないで、ことばだけで説明してやってもらうという課題に取り組みました。ほんの数秒の動きなのですが、見ていない人にことばで説明しようとすると大変です。まず右足を左の方に蹴るようにしてと言われても、どれくらいの力加減なのか、足の先はどちらを向いているのか、細かいことは分かりません。また、右足と同時に動いているはずの両腕や腰の動きは全く分からないのです。ことばは一度にすべてを表現できません。一枚の絵があったとして、そこに描かれていることをすべて同時にことばにできないのです。静止した絵でさえ困難なことを、動きを伴い消えてしまう振る舞いについてはほとんど不可能なのです。
こんなふうに、ワークショップでは「できないことに気づく」ことによって、「なぜ、できていたのか」を知る糸口にします。できるようになることだけが学びではないのです。
西川勝 2017年11月
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