ぼくの母親は陸軍看護婦でした。幼い頃、ナイチンゲールが傷ついた子犬に包帯を巻いてあげる絵本を読んで、看護婦になると決心したのです。
包帯は医療看護の象徴ともいえます。1月の砂連尾さんのダンスワークショップで、包帯を巻いてあげる人が「気持ちよく」巻くという課題が出されました。いつものように参加者で色々と試しては話し合ったのですが、終わってからも気になっていました。
ふつう、包帯が気持ちよくなるように努力するのは相手のためにです。でも、よくよく考えてみると、やはり巻いてあげる側が気持ちよくなければ駄目なんです。うまく包帯が巻けるときには、巻く側は気持ちの良いものです。ぼくが看護師として未熟だった頃、包帯ではずいぶんと苦労しました。きっと患者さんも困っていたことでしょう。ケアはする方が気持ちよくできなければ、ケアされる方も苦しい思いをします。美しいデュオダンスのように包帯をしましょう。
西川勝 2018年2月
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