11月のとつとつの課題は、喉ではなく腹から声を出すことでした。言葉ではなく声で気持ちを伝えようと試みます。なかなか上手くできません。「なんか、詰まった感じがして声が出ない」「大きな声を出しても、腹から出ていない」のです。私たちは言葉で気持ちを伝えようとします。言葉の意味は複雑多様で、その使用はすぐれて知的な活動だと考えられます。しかし、誰にもわかる言葉を話そうとすると、喉や口を自在に駆使して発音を明確にしなければなりません。体から出る息は、喉で微妙な綾をもって締めつけられて、口の形で調整されて言葉に生まれます。ことばを話そうとする意識が体の使い方をコントロールするのです。長いあいだの修練でやっと身につけた技術です。が、この方法を捨てようとしても容易ではありません。自分の感情をありのままに表現するために、身体を意識から解放して、奥深いところから出てくる息を、そのまま声にするレッスンでした。
西川勝 2018年12月
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