3月5日に岡山で「老いる権利とケア」という話をしてきます。実は「老いる権利」というテーマは10年ぐらい昔に舞鶴の老人大学で初めて話したことなのです。どんな内容だったかは自分の話であるにもかかわらず、すっかり忘れてしまったのですが、自分よりも年上の人たちが熱心に聴いてくれたことは覚えています。「高齢者の権利」ではなく「老いる権利」というところに妙な感じを持たれるかもしれません。しかし、「生きる権利」があるように「老いる権利」もあるはずです。
現代社会においては「老いる」ことのマイナスのイメージが強すぎないでしょうか。確かに若くて元気だった頃にできていたことが不自由になる側面はありますが、不自由を味わうことなしには気づけなかった人生の宝があるはずです。それは、意外なことに「楽」の本質につながるのです。長寿の達人である貝原益軒が『楽訓』という著作で「老いることの楽しみ」を論じています。春になったら、ぐれいす村で皆さんと一緒に『楽訓』の読書会を開く予定です。どうか、お楽しみに。
西川勝 2017年3月
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