カフェマスターはカフェを開くに際して、一応のオチを考えているわけですが、「雑談」と銘打っている以上、考えていた着地点から遠く離れたところを話がふわふわ浮いてしまって「はて、どんな 風に終わればいいのかしらん」と途方にくれることが多い。12月11日の人類学カフェもそんな会でした。
人類学者の植島啓司が使う言葉で「フラート ( flirt ) 」というのがあります。恋愛にいたるまでの「恋の戯れ」ということですが、植島は不安を抱えた恋愛未満のこの時の豊かさを強調しています。「たのしみ」も同じです。実は世間で「楽しい」と思っている部分は本当は楽しいわけではない。そこにいたるまでの不安や苦しみと共にある過程こそが楽しさの源泉かもしれない。それは説明されてもわかるものではないですよね。だから「教える」ことは難しいのです。
というわけで(どういうわけだ)、次回 の1月24日(金)の人類学カフェのテーマは「教える」です。
豊平豪 2013年12月
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