師走の慌ただしさが迫ってきています。普段は威厳をもってゆったりと暮らしている先生までが、走り出すという季節なんですね。ぼくは大学での勤めを辞めてから、歩くことが増えました。健康を考えての運動というより、生活のリズムをのんびりとするのが目的です。ぐれいす村を訪れるときも、西舞鶴駅からゆっくりと川辺を歩いて風景を楽しんだりします。大阪でも電車や車で行くのが当たり前だと思っていた場所へ、歩いて行くことが多くなっています。ハイキングでもないのに何時間も歩くのですが、結構楽しいのです。よく知っているはずの街が、いつもと違う姿を見せ始めます。道端の小さなものに目が止まるからです。きれいな花もあります。捨てられたゴミもあります。町内の住所表示や掲示板、落書きも読みます。地図には載っていないものたちに、自分の体で触れていく経験は小さな冒険です。町や風景と踊るように歩けば、自分の体が賢くなっていきます。冬の舞鶴には雪がありますね。新しい長靴で歩いてみたいと思っています。
西川勝 2016年12月
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