その人の心になって声を出す

 とつとつダンスワークショップでは、明確なことばでテーマが説明されることはない。だから、慣れていない参加者は、とても戸惑ってしまう。じぶんがする事の意味がわからないからだ。こういうことは大人の最も苦手とすることだし、許せないとさえ思うことがあるだろう。でも、とつとつでは、とりあえず、やってみて、みんなで話し合いをしながら考えてみる。そうすると、いろんな感想や意見が出てきて、空に浮かび流れていく雲が、ときになにかの姿に見えてくるときのように、じぶんの感じたことが形にあることがある。

 誰もが知っている「鳩ぽっぽ」の歌を、砂連尾さんの踊りにあわせて歌ってみる。踊る砂連尾さんの心になって、声を出してみるのだ。踊りを見て、その動きの意味を解釈してから声を出すのでは間に合わない。見ている自分の心を、砂連尾さんの動く体の内側に置くつもりで歌う必要がある。相手の気持ちになって、という課題が見えてきただろうか。


西川勝 2018年10月

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