5月25日の文化人類学カフェは通過儀礼(成人式など)がテーマでした。映画「ローマの休日」を人類学者の目で観ると通過儀礼の3要素(分離、過程、統合)がくっきり浮かび上がるという豊平さんの話の後、おもしろいインタビューをしました。
相手が「大人になったとき」を知るのがインタビューの目的です。しかし、「あなたが大人になったのはいつですか」という質問はしてはいけません。約15分間のインタビューでいろんな話をしますが、相手は何を尋ねられているのかは判りません。聴く人が話のなかから「大人になったとき」のストリーを組み立てていくのです。最初に紹介された通過儀礼の理論を参考にすると、話がぐっと整理しやすくなります。
相手の気持ちや考えを知りたいとき、それを質問してもなかなか答えは得られません。何気ない普通の会話をするうちに、ふとこぼれた話に真実はあるものです。尋ねずに聴くのは、おしゃべりの意味を深める工夫です。
西川勝 2012年6月
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