中学生の頃、三角形の重心はどこにあるかを勉強したことがあります。どんな形の図形にも重心があって、それを求めるのは物理の問題になります。人の身体も物体であることには違いありません。看護学校では、身体の重心を考えながら仕事をする大切さを学びました。バランスの良い姿勢をとること、身体に負担の少ない動きには重心の把握が必要です。姿勢や動きによって重心の位置は変化します。目に見えない重心を、どのようにして人は知るのでしょうか。
前回のダンスワークショップで、砂連尾さんに指示された重心の位置に合わせて、姿勢を変化させるという課題が出されました。みんなが頭をひねったのは、頭の右上の空中にある点に重心を移動させるというものでした。重心は身体の内部にあるはずだと思うからです。家に帰ってから調べてみると、背面跳びをするときに、重心は身体の外に出てしまうのでした。
生きて動く身体の不思議は、私たちの思いこみをはるかに超えるものですね。
西川勝 2014年7月
0コメント